13.アイスワイン
アイスワインは緯度50°の適度な気候の贈り物です。
アイスワインにするためのブドウは Beerenauslese (ベアレンアウスレーゼ)の品質に成熟したものを継続的にマイナス7度以下で凍った状態になるまで収穫せずにブドウの木に成らせたままにしておきます。
マイナス7度以下になった早朝、農園の人たちは総出で畑に行き、摘み取ってすぐ凍ったまま搾汁機にかけます。水分が氷になった部分は残り、ブドウのエキスのみが果汁として集められ、それが醸造されます。
凍結が水分を凝縮させるので、その状態で絞られる果汁の糖度、酸度、香りのエッセンスは非常に高濃度のものになるわけです。酸度が非常に高いために際限なく(と言えるほど)長命なワインなのです。
秋に長雨があったり、中途半端な凍り方を繰り返すとそのブドウはアイスワインにはできませんし、ブドウそのものが丈夫で酸味がしっかりしていないと凍結するところまで成熟させることもできません。そういう意味でも、特別な自然の恵みなのです。